設立趣意書(設立者からのメッセージ)
今世界では市場経済の浸透によって多くの開発途上国の経済がめざましい成長を遂げております。しかし、その陰で貧富の較差が拡大しているのも事実であります。これを放置することはこれまでも世界に存在した貧困がもたらした大きな弊害とも云うべき諸々の犯罪の一層の増加にも繋がることが懸念されます。
我国が戦後の廃墟の中から奇蹟的な復興を遂げ、しかも経済的には米国に次ぐ豊かさであり乍らこれ程貧富の較差の少ない国は他に例を見ないところであります。これは当時の国策によるところもありますが、それにも増して貧しくとも等しくしっかりとした教育を受けた世代の献身的努力と云った高い識字率に裏打ちされた勤勉性によるところが大きかった事を考えると、経済に於いて世界第二の大国となった我国が果すべき役割の一つは少なくともアジアの中での貧困の撲滅に向けた識字率の向上や文盲の撲滅に寄与すべきであり、富める者の務めでもあると考えます。
そこで、細やかではありますが前述の活動を当該国の人々の手によって継続できる様に、その自立支援を目的として当該国の青年を我国に留学生として受け入れ、その人材の育成を含めた支援をし、アジアの貧困撲滅に少しでも貢献したいと思っております。そして、いずれは当該国での奨学財団の設置とシステムの定着に繋げたいと考えております。
また、日本の優秀な学生に対して奨学援助を行うほか、青少年に対してリーダーとなるべき人材の育成や生涯学習活動などの支援をすることで、日本の発展ひいては世界の発展に繋げたいとも思っております。
こうした活動の意義が当該国の人々にもいずれ理解され、この一本の小さな流れが何時か国を跨がる大河となって、アジアをそして世界を今より少しでも住み易く平和なものにしていく事に繋がるならば設立者にとって望外の喜びとするところであります。
公益財団法人 マブチ国際育英財団
設立者代表 馬 渕 隆 一
馬渕 隆一 について
マブチモーター株式会社の前身である東京科学工業株式会社を設立。
以後、マブチモーター株式会社の代表取締役社長、代表取締役会長を歴任し、 2019年11月現在名誉会長。