マブチ国際育英財団は、財団創設者である馬渕隆一の「経済格差から生じる教育機会の格差解消こそが人類発展の基礎」と言う理念に基づいて、2005年3月に設立された奨学財団です。向学心に溢れながらも、経済的な事情で勉学を続けることが困難な若者たちに「夢の扉を開く」お手伝いをさせていただいております。

 お陰様で、これまでの18年間で、延べ22か国、約500名の奨学生が当財団から巣立ち、国内外を問わず幅広い分野で活躍しております。国内奨学金事業では、来日する留学生も含め毎年約200名の学生への奨学金給付を継続、海外においても母国に止まって勉学を続ける学生を支援する「貸与型還流式の奨学基金」を創設し、ベトナム、モンゴル、カンボジアの3か国において毎年300名を超える学生がこの奨学金を利用しております。

 また、助成事業として、千葉県松戸市・柏市・流山市の200名近い中学生・高校生に、塾や習い事に利用できるクーポンを提供し、教育格差の解消に取り組んでおります。さらに一般社団法人 日本プロ野球選手会が主催する「ドリームキャッチ・プロジェクト」を支援し、ひとり親家庭や児童養護施設で「野球を始めたくても始められない、続けたくても続けられない」子供たちに野球道具の支援や奨励金の支給を行っております。

 今、世界は20世紀には想像もしなかった大きな変化がおきています。 地球環境の悪化、エネルギーや資源の枯渇、他方、経済的・社会的な繋がりは国や地域の垣根を越え複雑に絡み合い、ボーダーレス化した環境下、ある地域で発生した問題が瞬く間に世界中に波及します。最近の様々な出来事は、あらゆる面においてルールの見直しが必要であることを示唆しているようにも思えます。

 奨学生諸君には、こうした現実を十分認識したうえで、いかに生き、いかに仕事をし、活躍するかを考えて貰いたいと思います。ITや環境保全、新しい技術開発、医療や生命にかかわる研究、更には国際社会を支える新たな仕組みや制度的な枠組みづくりなど、これからの若者に期待されることは山のようにあります。奨学生諸君には、十分な自覚を持って、勉学に打ち込み、充実した学生生活を送って欲しいと願っています。
マブチ国際育英財団は、これからも創設者馬渕隆一の「財団設立の志」を受け継ぎ、奨学生一人ひとりが人々から敬慕される人間力を備えた人間に成長できるよう、できるかぎりのサポートを行なってまいります。
引き続き当財団の事業に対する関係各位の倍旧のご支援、ご指導を賜わりますようお願い申し上げます。

 

2023年2月1日

公益財団法人 マブチ国際育英財団

理事長 亀 井 愼 二